森田浩彰 | Hiroaki MORITA
 

 
森田浩彰 | Hiroaki MORITA
 

《End of Light(2020)》
2019
白熱灯、蛍光灯、LED、白熱灯型蛍光灯、白熱灯型LED、蛍光灯型LED、アクリル、ベニヤ、アルミニウム、電源ケーブル
撮影:阪中隆文
 
《End of Light(2020)》
かつて蛍光灯や白熱灯は、高度経済成長期以降の未来の希望に満ちた世界を可視化する光源だった。しかしそれらは今、環境負荷等の問題からLED照明などに替えられ、急速に市場から消えつつある。それは同時に、3.11の原発事故によって最後通告を受けた戦後進歩史観の崩壊とも重なる。
私たちが見てきたかつての世界とは蛍光灯や白熱灯の反射光にすぎなかったのだろうか。蛍光灯、白熱灯というある時代を象徴するプロダクトの最後の瞬間になるかもしれない現在に光をあてる方法を探っていく。
 
照明の主な三つの形式(白熱灯、蛍光灯、LED)と白熱灯型蛍光灯、白熱灯型LEDなど古い型式を模倣した折衷的な照明を混在させ一つの照明器具として作り直した作品。このような様々な時代に発明され世界を照らしていた光が混在している状態は近い未来には全てLEDに置き換えられ失われてしまう。この失われることが決定されている混沌とした状況こそが光源の現在を指し示しているといえないだろうか。その光源の混沌そのものを照明として制作した。
 
 
 
《光を、もっと光を!》
《昼も夜も世界は光で一杯になっていく》
《蛍光灯は太陽の光に近づく》
《ついに太陽をとらえた》
《電燈料二千分の一》
《手軽に原子力を》
2019
LEDライトボックス
撮影:阪中隆文
 
LEDで照らされたそれぞれの言葉は高度経済成長期の最新テクノロジーのためのプロパガンダ映画、記事から取られている。一つは蛍光灯や白熱灯が最先端技術だった時代の1961年の科学振興映画「光の技術」のナレーション、もう一つは読売新聞で1954年から連載された国内原発を導入するためのプロパガンダ記事「ついに太陽を捉えた」の見出しから引用した。両方ともそれぞれ蛍光灯、原子力という異なる事柄について語られているが、そこではテクノロジーで我々の未来をポジティブに変えるための言葉が駆使されている。どちらも自然を人の支配下に置こうとしている人間のエゴから生み出された強烈な(そして時代錯誤的な)言葉である。
ライトボックス作品では光源にLEDを使い、ある種の古い時代錯誤的な言葉が現代の光によって浮かび上がる状態を作り出した。言葉と光源の間には時間のズレがあり、その時間のズレの中で起こった我々の価値観の大転換がある。それらを閉じ込める箱として制作した。

《End of Light(2020)》
2019
白熱灯、蛍光灯、LED、白熱灯型蛍光灯、白熱灯型LED、蛍光灯型LED、アクリル、ベニヤ、アルミニウム、電源ケーブル
撮影:阪中隆文
 
《End of Light(2020)》
かつて蛍光灯や白熱灯は、高度経済成長期以降の未来の希望に満ちた世界を可視化する光源だった。しかしそれらは今、環境負荷等の問題からLED照明などに替えられ、急速に市場から消えつつある。それは同時に、3.11の原発事故によって最後通告を受けた戦後進歩史観の崩壊とも重なる。
私たちが見てきたかつての世界とは蛍光灯や白熱灯の反射光にすぎなかったのだろうか。蛍光灯、白熱灯というある時代を象徴するプロダクトの最後の瞬間になるかもしれない現在に光をあてる方法を探っていく。
 
照明の主な三つの形式(白熱灯、蛍光灯、LED)と白熱灯型蛍光灯、白熱灯型LEDなど古い型式を模倣した折衷的な照明を混在させ一つの照明器具として作り直した作品。このような様々な時代に発明され世界を照らしていた光が混在している状態は近い未来には全てLEDに置き換えられ失われてしまう。この失われることが決定されている混沌とした状況こそが光源の現在を指し示しているといえないだろうか。その光源の混沌そのものを照明として制作した。
 
 
 
《光を、もっと光を!》
《昼も夜も世界は光で一杯になっていく》
《蛍光灯は太陽の光に近づく》
《ついに太陽をとらえた》
《電燈料二千分の一》
《手軽に原子力を》
2019
LEDライトボックス
撮影:阪中隆文
 
LEDで照らされたそれぞれの言葉は高度経済成長期の最新テクノロジーのためのプロパガンダ映画、記事から取られている。一つは蛍光灯や白熱灯が最先端技術だった時代の1961年の科学振興映画「光の技術」のナレーション、もう一つは読売新聞で1954年から連載された国内原発を導入するためのプロパガンダ記事「ついに太陽を捉えた」の見出しから引用した。両方ともそれぞれ蛍光灯、原子力という異なる事柄について語られているが、そこではテクノロジーで我々の未来をポジティブに変えるための言葉が駆使されている。どちらも自然を人の支配下に置こうとしている人間のエゴから生み出された強烈な(そして時代錯誤的な)言葉である。
ライトボックス作品では光源にLEDを使い、ある種の古い時代錯誤的な言葉が現代の光によって浮かび上がる状態を作り出した。言葉と光源の間には時間のズレがあり、その時間のズレの中で起こった我々の価値観の大転換がある。それらを閉じ込める箱として制作した。